身体や健康の衰退に調和するための高齢者の対処 : 二次的コントロール理論を基に
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概要
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本研究の目的は,高齢期に直面する身体や健康の衰退などを"統制困難な出来事"と定義し,70〜74歳高齢者の統制困難な出来事に対する対処方略について,調和焦点型二次的コントロール(SC)概念を用いて明らかにすることである。調査に参加した高齢者のうち,本人が病気である,または家族の介護をしている24名のインタビュー・データについて,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて対処方略に関する概念を生成し,概念間の関係に基づきカテゴリーに統合した。その結果,4つのカテゴリーと12の概念が生成された。そして,SCの高い高齢者は,(1)体力や健康などの自己資源が低下し自分の望みとのバランスが崩れたことを自覚すること,(2)多様な生き方に対する知識や理解があると,身体や健康の衰退を自律的に受容できること,(3)残された自己資源を現実的に査定することが大切だという知識や理解があると,現在の目標や認知,行動を身体の衰退に合わせて調整できること,(4)老いの受容や自己を調整することを維持するために,身近な人と交流し,気晴らしをして,忍耐強く統制困難な出来事とつきあっていること,が示された。
- 2013-06-20
著者
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