新しい日本障害児教育史像の再構築のための研究序説
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概要
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本論文は、1970年代末以降に発表された日本の障害児教育史研究の研究成果に基づいて、日本障害児教育史研究の再構築が必要な理由を明示し、その研究課題と意義を明らかにすることを目的とするものであり、今後、展開される研究の序説である。1970年代末以降の県特殊教育史・学校記念誌等の研究を総合化し、体系化することにより、これまでの定型的な理解や通説を超えることが可能になる。盲・聾教育を全学校制度の一部とする明治5年「学制」の斬新な計画から、1923年勅令による県立・寄宿制という学校制度に結果するまで、日本の盲唖学校創設計画および維持とその意義について、近代欧米基準、日本の独自な文化的・社会的背景との関連、国際比較によって、盲人、小学校校長と教員、県行政等の盲唖学校創設に関与した人々、社会的支持基盤、そのネットワーク等を学校間・地方間で比較対照かつ総合化する研究方法によって明らかにする可能性を提起した。
- 障害科学学会の論文
- 2011-03-31
著者
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