<原著>糸賀一雄の「共感」思想に関する考察
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概要
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本研究では、戦後の日本の障害児教育・福祉に大きな影響を与えた糸賀一雄の共感思想について、糸賀一雄の著作を通して検討した。共感思想の考察においては、共感という用語に関連する考え方に注目し、人間関係観としての共感思想、共感を中核とした新しい社会、その社会を形成していく自覚者・責任者の概念を中心に論じた。また、共感思想の根源をなしているのは、糸賀一雄の青年期思想であるという観点から、彼の青年期思想について分析した。その結果、糸賀における共感思想に内在する特質として、以下の点が明らかとなった。①人間存在を相互性・関係性に基づいて把握していた。②障害者と健常者の関係の在り方を、主体と主体の関係と捉えていた。③自己の内面を深く見つめ、また個々人が自分の内面を省察することを重視していた。
- 筑波大学心身障害学系の論文
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