非妊時の糖尿病自己管理が良好ではなかった1型糖尿病をもつ女性の妊娠末期における経験と思い
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概要
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糖尿病をもつ女性では,妊娠末期には産科的合併症の出現や悪化のために不安が増強することが多い。今回, 1型糖尿病をもつ女性の妊娠前から産褥期における糖尿病自己管理に関する経験と思いを明らかにすることを目的とした研究を実施した。このうち本稿では非妊時の糖尿病自己管理が良好ではなかった1型糖尿病をもつ女性の妊娠末期における経験と思いについて報告する。本研究は,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的帰納的研究である。データは3名の研究参加者から半構成的面接法により得た。カテゴリーは【 】,概念は<>で示す。妊娠末期には【糖尿病をもっているがゆえにハイリスク妊産婦である】ことを実感する。糖尿病合併症や産科的合併症の出現・悪化を認めることがあり,妊娠初期から抱いていた<妊娠経過への不安>はさらに強くなる。自分だけでは管理しきれなくなった身体となり, <子どもへの影響に関する不安>を強く感じる。そして, <新たな糖尿病合併症出現への恐怖>を感じ,無事に分娩を終了することができるのだろうか,身体が妊娠前の状態に戻らないのではないかとの不安を抱く。しかし,胎動を感じることや超音波検査により胎児の成長を目にすること, <同じ1型糖尿病をもつ女性との出会い> <夫や家族のサポート> <信頼できる医療者の存在>に支えられ, <とにかく今は頑張らなければいけない>との気持ちを保ち,療養を継続している。この時期の援助としては,産科的合併症の出現や悪化を考慮した援助が必要であり,辛い治療を前向きにとらえることができるように周囲のサポートや胎児への愛情を促進する援助,チーム医療を提供できる体制を整えることが重要となる。
- 2013-01-00
著者
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