中学生女子の月経随伴症状と家庭における月経教育の実態
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概要
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本研究では,中学生の月経随伴症状と対処の実態,家庭における母親による月経教育の現状と中学生とその母親が保健医療従事者に求める事柄について無記名自記式質問紙調査を行い,中学生とその母親に対する援助のあり方について考察することを目的とした。初経後の中学2・3年生135名とその母親135名からの回答を分析した結果,以下のことが明らかとなった。1.月経時になんらかの随伴症状を認めている中学生は9割を超え,その症状は多岐にわたっていた。そのなかで重度下腹部痛を感じている者は4割,そのうち下腹部痛時の対応として「がまんしている」とした者が4割おり,鎮痛薬を服用している中学生は25.9%に過ぎなかった。また,娘の鎮痛薬の服用に不安をもつ母親は半数いた。2.家庭において月経教育をしたことのある母親は9割を超えていた。教育時期としては初経を迎えたときが最も多く,その後の時期の教育は少ないことがわかった。3.中学生が月経について知りたいことは「月経時の運動」「月経時の入浴」「タンポン」「月経随伴症状」の順であった。4.保健医療従事者による月経に関する集団指導と個別相談の場を設けることに対する要望をもつ母親が,それぞれ約6割,約2割いた。以上より,学校教育現場や地域との連携により,保健医療従事者による健康教育としての思春期女性への月経教育体制の整備の必要性が示唆された。
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