母親のもつ乳児の泣きぐずりに関する知識と対処の実態 : コリックの視点から
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概要
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コリックは,欧米では,乳児虐待の要因ともなる,親を悩ませる激しい泣きぐずりとして,広く知られている。本研究では,乳児の泣きぐずりに関する文献上の情報,母親の知識とその情報源,対処方法の実態を明らかにし,乳児の特質に着目した育児援助のあり方について考察した。過去5年間の国内の文献調査,および190名の乳児の母親を対象とした自記式質問紙調査を実施した。その結果,コリックと同義・類似概念として「疝痛」「夕暮れ泣き」があり,このうち「夕暮れ泣き」が最もよく知られていた。泣きぐずりの原因についての母親の知識と実施している対処方法は育児雑誌・育児書中の記述と同様であり,情報源として最も多くあげられていたものは育児書であった。コリックの原因や対処方法について明らかになっていることは少ないことから,保健医療従事者のアドバイスにおいては,原因や対処方法を端的に伝達するよりも,母親の精神・心理面に配慮した,より支持的な援助を行い,その上でコリックの全体像を示しつつ,妥当性が高いと報告されている原因や対処方法の一部を提示することが重要であると考えられた。
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