育児中の在日ブラジル人女性の日本の母子保健医療に対する認識とその背景 : 日本の母子保健医療の課題に関する考察:第2報

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今日,地球規模での人の流れの活発化と日本社会の少子高齢化による単純労働力の不足を背景に,国内の外国人人口は増加の一途をたどっている。経済目的で来日する人々の多くが生殖年齢にあることから,日本で妊娠,出産,育児をする人々も増加しつつある。育児中の在日ブラジル人女性の日本の母子保健医療に対する認識とその認識にかかわる社会文化的背景を明らかにすることを目的として実施した調査研究の結果,ブラジル人女性が母国との比較により肯定的にとらえていたものは「出産・育児に関する経済的支援」と「子どもを産むことに対する社会の見方」,否定的にとらえていたものは「母乳育児ケア」「妊娠中の体重増加制限」「コリックに対する医療者の認識・対処」「発熱時の対処」「予防接種」「避妊方法」「小児救急医療」「疼痛管理」であった。本稿では,「出産・育児に関する経済的支援」「子どもを産むことに対する社会の見方」「母乳育児ケア」「妊娠中の体重増加制限」について報告した第1報に続き,「コリックに対する医療者の認識・対処」「発熱時の対処」「予防接種」について記述した。これらの事柄についてブラジル人女性らは,日本ではブラジルとは異なる方法や指導がなされていることに対して不満と疑問を抱いていた。その背景には,保健医療システム,価値観におけるブラジルと日本間での相違があった。

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