女子大学生の月経周辺期における心身の変化 : ポジティブおよびネガティブな変化と月経イメージとの関連
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,女子大学生が月経周辺期にどのようなポジティブおよびネガティブな心身の変化を経験しているのか,またそれらの変化と月経に対するイメージとの関連はどうであるのかを明らかにし,月経教育のあり方について考察することを目的に無記名自記式質問紙調査を実施した。看護学を専攻する女子大学2,3年生129名の回答を分析した結果,以下のことが明らかとなった。1.1項目あたりの平均尺度得点の比較では,ポジティブ変化尺度得点はネガティブ変化尺度得点に比べ有意に低かった(p<0.001)。2.ポジティブ変化尺度は,因子分析の結果,「気力因子」と「活動性因子」の2因子で構成されていた。1項目あたりの平均得点の比較では,「活動性因子」が「気力因子」よりも有意に高く(p<0.001),「活動性因子」の項目である「食欲が増す」と「便秘が解消する」は他の項目に比べて高得点であった。3.ネガティブ変化尺度の1項目あたりの平均得点は高いものから「下腹部痛」「腰痛」「いらいら」「疲れやすい」「肌荒れ」「憂うつ」の順であった。4.月経イメージ尺度は,因子分析した結果,「肯定的イメージ因子」と「否定的イメージ因子」の2因子で構成されていた。1項目あたりの平均得点の比較では,「肯定的イメージ因子」が「否定的イメージ因子」よりも有意に高かった(p<0.001)。5.ポジティブ変化尺度得点と肯定的イメージ下位尺度得点間には有意な相関はみられなかったが,ネガティブ変化尺度得点と否定的イメージ下位尺度得点間には有意な強い相関がみられた(p<0.001)。以上より,この年代の女性に月経周辺期におけるポジティブな変化に関する情報を伝え,これらの変化を意識化する働きかけをしていくことの重要性が示唆された。
著者
関連論文
- 育児中の在日ブラジル人の生活の特徴と社会文化的背景
- 女子大学生の月経周辺期における心身の変化 : ポジティブおよびネガティブな変化と月経イメージとの関連
- 米国メイヨークリニックにおいて産科医療に携わる上級看護師
- 米国メイヨークリニックにおける看護職者のカルチュラル・コンピテンス向上のための取り組み
- 母親のもつ乳児の泣きぐずりに関する知識と対処の実態 : コリックの視点から
- 中学生女子の月経随伴症状と家庭における月経教育の実態
- 育児中の在日ブラジル人女性の日本の母子保健医療に対する認識とその背景 : 日本の母子保健医療の課題に関する考察:第3報
- 育児中の在日ブラジル人女性の日本の母子保健医療に対する認識とその背景 : 日本の母子保健医療の課題に関する考察:第2報
- 母娘間の性に関する会話状況と性教育内容 : 初産婦を対象とした遡及的調査
- P-099 男性のもつ月経観と月経に関する知識の現状(Group65 性周期・月経,ポスターセッション,第51回日本母性衛生学会総会)
- 育児中の在日ブラジル人女性の日本の母子保健医療に対する認識とその背景 : 日本の母子保健医療の課題に関する考察:第1報
- 「乳児の泣きぐずりに対する母親の心理反応尺度」の開発
- 考え,想像する力を育てるPBL--看護学教育における展開方法とシナリオ作成法 (効果を上げるPBL演習)
- P-103 育児中の在日ブラジル人女性の日本の周産期ケアと保健医療システムに対する認識(Group45 その他,ポスターセッション)
- 外国人クライアントの看護において大切と認識された事柄の内容分析--青年海外協力隊看護職帰国隊員と公立総合病院勤務看護職の比較
- 看護職者の放射線に関する知識の現状と教育背景
- 出産場所選択要因に関する研究
- 男性のもつ月経観と月経に関する知識の現状--男子大学生および既婚男性への調査
- 男性のもつ月経観と月経に関する知識の現状 : 男子大学生および既婚男性への調査
- 非妊時の自己管理が良好ではなかった1型糖尿病をもつ女性の妊娠前から妊娠中期における経験と思い
- 20代未婚男女の避妊の意識と行動に関する記述的研究
- 非妊時の糖尿病自己管理が良好ではなかった1型糖尿病をもつ女性の産褥期における経験と思い
- 非妊時の糖尿病自己管理が良好ではなかった1型糖尿病をもつ女性の妊娠末期における経験と思い