マルチストリーミング処理のためのマルチプロセッサ向けロードバランス機構(ソフトウェアシステム)

概要

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組込みシステムの分野でもマルチプロセッサが使用されるようになってきた.更に,プロセッサ処理能力の向上により,マルチストリーミング処理が必然となりつつある.そこで本研究では,組込み向けマルチプロセッサ用RTOS上で動作する,マルチストリーミング処理を対象としたロードバランス機構を提案する.汎用的なロードバランス機構としては,タスク数平準化方式がある.タスク数平準化方式では,各タスクの負荷が均等でない場合に,時間制約を満たすことができない可能性がある.ほかにも,タスクの負荷に応じて割り当てるプロセッサ時間に重みを付けるプロポーショナルシェア方式が提案されている.しかし,この方式の提案はシングルプロセッサ上での適用であり,かつ,負荷が動的に変動する場合に,時間制約を満たすのは容易ではない.そこで我々は,タスクが行った仕事量に着目した仕事量平準化方式を提案し,TOPPERS/FMPカーネル上で実現した.そして,マルチストリーミング処理の特徴を抽象化したアプリケーションに適用した.その結果,既存のロードバランス機構では時間制約を満たせないアプリケーションに対しても,仕事量平準化方式では効果が認められた.
2013-01-01