看護技術教育での情意領域の教育評価-基礎看護学実習後の振り返りに闘病記を用いて-
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概要
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本稿では学生の2 つの記録を比較検討して教育評価について考察する.1 つめの記録は,学生が患者にはじめて日常生活援助を行う「基礎看護学実習II」(以下,基礎実習とする)でのまとめの記録である.2 つめは新人ナースが頸髄損傷となった「直子さん」の闘病記を用いた「基礎看護技術」の総合演習後の学生の振り返りである.学生がどのような場面から基礎実習での体験と闘病記の患者の思いをリンクさせたのかを分析し,これまでの基礎実習後のまとめではでてこなかった情意面の学びが,基礎実習後に闘病記を用いることによって強化されたといえる教育効果を確認することができた.また,看護技術教育の情意領域の評価を考えることで情意領域としての諸目標を段階的にかつ具体的にわかりやすく挙げるといったような今後の示唆が得られた.基礎看護技術教育において基礎看護技術演習と基礎実習,闘病記を用いた演習の用い方,基礎看護技術として看護技術の修得と情意領域の学びの深め方などの重要性が明らかとなった.
- 2013-02-01
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