島根半島・弥山山地におけるニホンジカ(Cervus nippon)の行動圏と樹種構成との関係

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概要

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島根半島・弥山山地は島根県で唯一のニホンジカ(Cervus nippon)の生息地である。そこで,オス4頭,メス2頭に発信機を装着し,それらの個体の行動圏を把握し,シカの森林利用,シカの行動圏内の生息環境を明らかにすることを目的とした。メスの行動圏面積は,オスのそれよりも有意に大きいことが明らかになった。本山地では,落葉広葉樹の多い北日本とは異なり,行動圏の季節移動が見られない定住個体に分類された。また,北日本では,針葉樹林はシカの風雪からのシェルターとしてのカバー機能を果たしているが,本山地は常緑広葉樹林が多いため,広葉樹林にもカバー機能があると考えられた。昼間と夜間とでは行動圏が異なり,昼間は奥山に滞在し,夜間は人家に近い畑・果樹園で採食行動を行っていることが明らかになった。行動圏の大きさと正と負の選択性植物の立木密度・相対優占度との関係から,行動圏の大きさや位置はシ力の採食行動に大きく影響を受けていると推測された。
応用森林学会の論文
2002-09-30

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