落葉広葉樹林およびスギ林におけるA_0層・表層土通過水の水質変化について

概要

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落葉広葉樹林とスギ林における酸性雨がA_0層,A層を通過した際の水質の変化を明らかにすることを目的に,マイクロライシメーター法を用いて土壌通過水を採取し,水質の違いを比較検討した。コナラ林ではA_0層通過水のpHが林内雨に比べて低かった。Ca濃度はスギ林でのA層通過水で低くなり,N0_3濃度はスギ林ではA層通過水,コナラ林ではA_0層通過水で高くなった。Al濃度の上昇はコナラ林,スギ林ともに秋から冬にかけてみられたが,人工酸性雨散布に比べると極めて低かった。土壌からのイオンの溶脱量は,A_0層からはCa,NO_3,A層からはCa,NO_3,K,Clで多く,スギ林の方が多かった。溶脱量全体に占めるA_0層からの溶脱の割合は,Ca,23〜50%,Mg39〜43%,K18〜36%,Cl21〜62%,NO_33〜222%,SO_48〜60%,Al41〜56%であった。また,これらの割合はMg,Na,NH_4を除いたいずれのイオンでもコナラ林の方が大きかった。
応用森林学会の論文
2001-09-30