火入れ後の森林土壌の無機態Nの動態の短期変化 : 弱度の火入れの場合
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概要
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島根県仁多郡仁多町の二次林伐採跡地で弱度の火入れの場合に, 火入れが短期間に森林土壌の無機態Nに与える影響を明らかにした。表層土(0〜5cm)の窒素の無機化能は火入れ直後に顕著に増加したが, 火入れ2週間後には火入れ前のレベルに低下した。土壌窒素の硝化能と土壌のNO_X Nの濃度は, 火入れ2週間後から高くなり, 火入れ6週間後に最大となった。表層土および中層土(5〜20cm)のNH_4-Nの濃度は火入れ直後から高く, 10週間後から火入れ前のレベルに低下した。イオン交換樹脂(IER)によるNH_4-N吸着量は火入れ直後から8週間後まで表層(0〜5cm)のみで高くなった。IERによるNO_X-N吸着量は火入れ直後から3か月間全層で火入れ前より高くなった。土壌微生物バイオマスN量は表層土で4週間後から低くなった。火入れにより増加したNH_4-Nは硝化活性の促進によってNO_X-Nに転化した。一方で, 火入れ後7〜8週間のみ下層でのIERによるNO_X-N吸着量が表, 中層より多かったが, 各期間(2週間ごと)の平均値から見ると各層での吸着量に有意な差がなかったことから, 火入れ後3か月間のNO_X-Nの溶脱は強度の火入れの場合に比べて少ないと考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1997-02-16
著者
-
金子 信博
横浜国立大学環境情報研究院
-
片桐 成夫
島根大学生物資源科学部生態環境科学科森林環境学講座
-
片桐 成夫
島根大学生物資源科学部
-
金子 信博
島根大学生物資源科学部生態環境科学科森林環境学講座
-
宿 聚田
鳥取大学連合農学研究科
-
金子 信博
島根大学生物資源科学部
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