鉄骨を主構造とした杉角材積層構法の考察
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概要
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本研究は、前年に引き続き福島県産の杉間伐材の有効活用を目的としたものである。日本は世界的にみても森林資源の豊富な国であり、森林率(森林面積÷国土面積)は64%で、世界規模でみても有数の森林保有国である。そのうち木材利用の人工林が40%、天然林が40%、原生林が20%と言われている。しかし、近年では林業の低迷により森林を維持することができなくなり、管理が放棄された森林では適切な間引きが行われないまま細い木々が過密状態になり、風雪に耐えられない土砂崩れなどの危険な山々が増加している。福島県の特に県南の東白川郡八溝山系から日光に繋がる森林は、国内でも有数の杉の産地である。前年はこの福島県産の杉間伐材の有効利用を目的として4 寸角材と2 寸角材を駒返しに積層させたパネルを木造軸組に付加させていく構法を試みた。また、放棄林が増加にある我が国で国産の杉材をより多く利用する目的で、福島県産材の杉間伐材を首都圏にパネル化して搬送し、住宅材料として利用する試作としての位置づけを行った。本研究では主構造材ではなく壁面材として外壁と内壁を兼ねた積層構法の考察を行っている。現代建築では外壁は、退候性・防火性が高くメンテナンスフリーの建材が多く使用される。外壁側にこのような材料を用い、内壁側に向かって防水層、通気層、断熱層を設けて内壁材で仕上げるのが一般的である。本研究では外壁材、防水層、断熱層、内壁材の4 つの要素を全てこの杉角材の積層部分で兼ねる試みを行っている。
- 2011-03-25
著者
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