県産杉間伐材を用いた積層パネル構法の考察
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概要
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本研究は、福島県産の杉間伐材の有効活用を目的としたものである。杉間伐材の有効利用が叫ばれてから既に20 余年が過ぎている。杉間伐材の利用はそれ自体の利用を促進することも重要であるが、本来は手入れの滞っている我が国の森林の問題であり、国土の実に66 パーセントが森林である我が国ではその在り方の問題にまで発展してしまっている。手の入らなくなった森林をどのように導くかは急務であると同時に、その活用の仕方を経済も含めて考えていくときがきているのである。一方、本県の南部に位置する八溝山系から日光に繋がる山林は、優良な木材資源の宝庫として知られている。県南地域ではこの地の利と、高速道路によって繋がる東北エリアの材木の集約、また関東圏に製材した木材を卸しやすいという更なる地の利があることから、大手の製材会社が存在するに至った。本研究の主たる目的である積層パネル構法の開発は、もともとは県産材の杉間伐材の有効活用を目的としている。現在まで筆者はアートや国道休憩施設のベンチ等でその有効活用の模索と対外的なアピールを行ってきた。今回の開発は、県産杉間伐材の有効活用の幅を広げる目的で住宅の内装材としての利用を考察している。構法の開発に当たっては以下の点を考慮した。杉間伐材を板材として用いるのではなく校倉造のように木材を積層させることによって、住宅の内装としての意匠性を高める、木造在来軸組工法の筋交いに相当する耐力壁としての効果を探る、木材自体の厚みによる断熱効果を高める等である。
- 2010-03-25
著者
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