乾燥作物残さの混和処理後一定期間をおいて土壌に誘導されるテンサイ苗立枯病の抑止作用
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概要
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コマツナとラッカセイの乾燥茎葉残さを混和した直後の土壌に発現する,Rhizoctonia solani及びPythium ultimumによるテンサイ苗立枯病と種子果皮着生に対する抑止効果を評価した結果,部分滅菌土壌におけるR. solaniによる果皮着生及び苗立枯病は,日中22℃,夜間17℃の条件下で乾燥残さの処理により抑止された。しかしP. ultimumによる腐生活性及び発病は抑止されず,同じ傾向が日中32℃,夜間27℃でも観察された。一方,残さを混和した直後の非滅菌土壌は,何ら抑止効果を示さず,病原菌を接種しない土壌でも高率に発病が認められた。対照的に,残さ混和後に25日間静置培養した非滅菌土壌では,R. solaniもしくはPythium spp.による苗立枯病が顕著に抑止された。こうした結果から,コマツナとラッカセイの乾燥残さは苗立枯病を抑止するための有効な資材になり得るが,発病抑止効果は残さを土壌に混和してから一定期間をおいた後に発現することが示唆された。
- 2010-10-01
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