病院併設型乳児院の入所乳幼児の状態像と提供されたケア実態に関する研究--急性期入院医療における「重症度・看護必要度」指標による患者分類を用いて

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日本には、障害児や病虚弱児を積極的に受け入れ、 24時間体制で高度な医療機能を提供できる病院併設型施設 (以下、病院併設型乳児院と呼ぶ。) は少なく、現在、これらの乳児院において、どのような状態像の乳幼児が入所し、どのようなケアが行われているかを示す詳細な資料は、ほとんど存在していない。そこで本研究では、これらの病院併設型乳児院に入所している乳幼児の状態像を明らかにし、また、他計式24時間1分間タイムスタディ調査法によって提供されているケアの内容を明らかにすることを目的とした。なお状態像の把握にあたっては、急性期病棟等の入院患者の状態評価に用いられている看護必要度評価項目 (重症度・看護必要度評価票) を用いた。この結果、病院併設型乳児院の入所乳幼児の9割以上がICU病棟入室相当の重症患者と同程度のケアが必要な状態にあることがわかった。ただし、一般急性期病院の乳幼児の患者に比較すると専門的な看護や医療的処置量は多くなかった。また、 1分間タイムスタディ調査の結果からは、乳幼児は愛着形成に係る直接的なケア時間が長いことがわかった。しかし、乳幼児毎の提供時間には大きな差があり、その状態像に合致した職員の配置をさらに検討しなければならないことが示唆されていた。このため、今後は、一般急性期病棟の弾力的な利用や外付けの医療・看護サービス提供システムの構築等、改めて医療と福祉の狭間にある乳幼児の社会的養護に関わるケアを補完する体制が整備される必要がある。
静岡県立大学の論文

病院併設型乳児院の入所乳幼児の状態像と提供されたケア実態に関する研究--急性期入院医療における「重症度・看護必要度」指標による患者分類を用いて

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