発達障害の身体問題(感覚情報調整機能障害・身体症状・身体運動)の諸相 : 発達障害の当事者調査から
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概要
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本稿では,発達障害の本人・当事者がどのような身体問題(感覚情報調整機能障害・身体症状・身体運動の困難)を抱えているのかを,当事者への質問紙法調査(感覚情報調整機能障害調査,身体症状調査,体育・スポーツの困難・ニーズ調査)を通して明らかにしてきた.その結果,例えばニキの「自閉症は身体障害である」,片岡の「(内分泌調節,自律神経調節などの)発達障害の身体障害性への援助はまさに発達障害者へのバリアフリーの問題」,さらに感覚情報調整機能障害などの身体感覚の問題に関して,綾屋の「身体内外からの情報を絞り込み,意味や行動にまとめあげるのがゆっくりな状態.また一度できた意味や行動のまとめあげパターンも容易にほどけやすい」という言説は,本調査の結果とも一致する点が多く,傾聴に値する提言であることが判明した.引き続き,身体障害性・身体感覚等の身体問題の視点から,発達障害の本人・当事者が抱える各種の困難・ニーズの検討が求められている.
著者
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高橋 智
東京学芸大学
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石川 衣紀
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程
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田部 絢子
東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程 成女学園中学校・成女高校
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高橋 智
東京学芸大学教育学部発達支援講座
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高橋 智
Faculty Of Education Tokyo Gakugei University
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高橋 智
東京学芸大学総合教育科学系特別支援科学講座
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田部 絢子
東京学芸大学
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石川 衣紀
東京学芸大学
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田部 絢子
東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程発達支援講座
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石川 衣紀
白梅学園大学子ども学部、東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程発達支援講座修了
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