可動式カメラによる社会的テレプレゼンスの強化
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概要
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社会的テレプレゼンスとは遠隔地の人とあたかも同じ部屋にいるかのような感覚である.メディアスペースは遠隔地の部屋どうしを接続する技術として期待されているが,いまだ完成されていない.そこで,我々はユーザがディスプレイに近づくと遠隔地にあるカメラが前方に移動する機能を開発した.この単純な機能により運動視差をともなって遠隔地の人の映像が拡大される.この可動式カメラが社会的テレプレゼンスを強化することを被験者実験によって観測した.カメラが移動しているにもかかわらず,被験者はカメラが動いているのではなくズーム機能によって人の映像が拡大されていると感じた.しかし,可動式カメラの代わりにズーム機能によって人の映像を拡大した場合,社会的テレプレゼンスを強化する効果は観測されなかった.これはズーム機能による映像の拡大には運動視差がともなわないからであると考えられる.被験者はカメラの機能について何も説明されていなかったが,ほとんどの被験者は自分の歩く動作に合わせて映像が拡大されているということに気付いていた.また,カメラの移動を遠隔地の人が操作した場合,社会的テレプレゼンスは強化されなかった.
- 2011-04-15
著者
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中西 英之
大阪大学大学院工学研究科
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村上 友樹
大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻
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中西 英之
大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻
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加藤 慶
大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻
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