デジタルシティの3次元インタフェースの設計と実装(<特集>ソフトウェアエージェントとその応用論文)
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概要
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我々はデジタルシティの3次元インタフェースとして,仮想空間ソフトウェアを開発した.このソフトウェアは,現実と同じ構造をもつ仮想空間の中で数百体の人体型エージェントと数十人のアバタとが映像や音声によりインタラクションを行うことで,サイバースペース上に新しいコミュニティを形成することを目的としている.この目的のうち,仮想空間はVRMLで作成された現実の都市と同じ構造をもつ空間の構造データを3次元コミュニケーションツールに読み込むことで実現した.一方,アバタやエージェントに関しては,アニメーションにより2足歩行を行い,混雑した場所での歩行時は他者を自然に回避し,更に発話時には空間内の音場を再現する機能を実装することで現実感や操作性を増した.こうした高度な機能をもつ3次元空間を実現するには,従来は高い性能をもつ計算機の使用が前提とされてきた.しかし,デジタルシティは一般の市民が自宅の計算機環境から気軽に参加できるものでなければならず,更に,できるだけ多くの市民が同時に空間を共有できることが望まれる.そのためには,インタフェースに必要とされる計算機の性能やネットワーク帯域を抑えなければならない.この問題を解決するため,我々はマルチユーザ環境における効率的な音場生成技術を開発し,仮想空間上に実装した.評価の結果,提案技術は仮想空間ソフトウェアが消費する計算機資源を抑える目的に対して有効であることがわかった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-08-01
著者
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伊藤 英明
京都大学社会情報学:(現)オムロン株式会社センシング&コントロール研究所
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中西 英之
大阪大学大学院工学研究科
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中西 英之
大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻
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The Siewling
京都大学社会情報学専攻:(現)ソニー株式会社ネットワークアプリケーション&ソリューションズ技術部
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中西 英之
京都大学社会情報学専攻
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羽河 利英
京都大学社会情報学専攻
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羽河 利英
京都大学社会情報学専攻:(現)シヤープ株式会社技術本部システム開発センター
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テー シューリン
京都大学社会情報学専攻
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