母娘二世代の母子健康手帳にみられる妊娠分娩経過の関連

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近年, 成人病胎児期起源仮説, Developmental Origin of Health and Disease(DOHaD)仮説が注目されている。今回, 母娘二世代362組の母子健康手帳を用いて, 二世代間の妊娠分娩経過の関連を検討した。世代間比較では, 二世代目は一世代目に比べ身長が高く, 妊娠中の平均収縮期血圧が低く, 体重増加量が少なく, 出生した児の体重が軽かった。また, 分娩時出血量が多く, 分娩様式では帝王切開を受けた人が多かった。一方, 二世代間の非妊娠時体格, 妊娠中期以降の血圧や体重増加量, 出生児の出生体重と頭囲は統計学的に有意な正の関連を示した。また, 重回帰分析による三世代目の出生体重に関連する因子の分析では, 二世代目の出生体重が二世代目の非妊娠時のBMIや妊娠時の体重増加量より強く関連することが示された。本研究の結果により, 世代間の妊娠分娩経過には, 社会背景の変化や医療水準の向上などによる差異はあるものの, 関連がみられた。また, 前世代の胎内環境が次世代の胎内環境に影響を与えることが示唆された。以上より, 前世代の妊娠分娩経過を知ることは, 妊娠早期からの保健指導を可能にし, 妊娠中の合併症の予防, さらにはその先に続いてゆく世代の健康につながっていく可能性が示唆された。

母娘二世代の母子健康手帳にみられる妊娠分娩経過の関連

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