南日本のがら藻場の生態と藻場造成(シンポジウム:藻場造成)
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概要
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大型褐藻ホンダワラ類が優占する群落は,がら藻場と呼ばれているが,特に南日本沿岸では,水産資源培養の場として重要視されている.土佐湾では,内湾域では,マメタワラが多くみられ,外海に面したところでは,トゲモク,ヨレモクモドキなどが,がら藻場を形成している.これらの群落は,季節的消長に違いがみられる.マメタワラは,夏期の間は茎部を残し消失し,12月上旬から,新しい個体が出現してくる.藻体は冬から春に伸長し,初夏の頃に成熟する.トゲモクは,波浪の強い外海の岩礁域に濃生し,周年藻体が消失することはない.ヨレモクモドキは,外海に面しているが,比較的静かなところに繁茂し,秋から1月頃には緩やかに伸長し,水温の上昇とともに春期に急速に伸長する.5-6月に成熟するが,同時に幼芽がみられ,藻場が消失することはない.がら藻場の造成法には,母藻投入法,幼体の固着した種糸をブロックに固着する方法,卵を網や固着板に着生させ育成させる方法などが考えられている.また底生動物の生活の場も考慮した海藻魚礁の設置も考えられており,これらの試験礁は投入後から,1-2年で,天然岩礁域に近い状態になることが明らかになった.
- 日本海洋学会の論文
- 1990-02-28
著者
-
寺脇 利信
南西水研
-
本多 正樹
電力中央研究所
-
大野 正夫
高知大学海洋生物教育研究センター
-
本多 正樹
電力中研
-
Ohno Masao
Usa Marine Biological Institute Kochi University
-
Ohno M
Kochi Univ. Kochi
-
大野 正夫
高知大
-
Ohno M
Kochi Univ. Kochi Jpn
-
寺脇 利信
電力中央研究所
-
Ohno M
Kyushu Univ. Fukuoka Jpn
-
OHNO Masao
高知大学海洋生物教育研究センター
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