G. H. ミードの「遊び」についての一考察 : 幼小連携を視野に入れて
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概要
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G. H. ミード(Mead, G. H. 1863-1931)は,アメリカのプラグマティストであり,子どもの遊びが自我形成の初期段階において重要な役割を果たしていることを指摘している。本稿では,遊びについての彼の別の観点からの着目,つまり遊びがもつ「美的側面」に焦点化して考察を行っている。その美的側面とはつまり,(1)子どもが対象を全体として知覚するということ,(2)遊びが社会的状況を含んでいるということ,さらに(3)子どもが対象へかかわる動機や,活動のなかで達成したことを喜びや楽しみに昇華する力を内包している,ということである。このような遊びについての視点をもって,ミードは当時のシカゴの幼稚園と小学校の分離した状況を改革し,単に幼小の連携をもたせるだけでなく,学校における子どもの活動そのものを組み替えることを提案している。このような彼の視点は,現代の日本の幼小連携を考える際にも,有用なものであるということができる。
- 日本教育方法学会の論文
- 2007-03-31
著者
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