ニホンウズラ(Coturnix japonica)末梢血リンパ球活性化における4種のマイトージェンの培養至適濃度
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概要
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ニホンウズラの末梢血リンパ球活性化におけるConA, PHA-L, PHA-MとPWMのマイトージェンの至適培養濃度を検討した。末梢血よりリンパ球をPercoll密度勾配遠心法により分離し,2×106/ml浮遊液に調製し,各マイトージェンを0〜1,000μg/ml添加したRPMI1640培地(血清不含)で0,24,48,72時間培養した。各培養時間後にMTTアッセイにより細胞活性を測定し,培養0時間の測定値を1として各培養条件での細胞活性率を算出した。その結果,ConAおよびPHA-M刺激では濃度依存的に細胞活性率は低下した。一方,PWM刺激時の細胞活性率はPWM濃度依存的に上昇した。また,PHA-L刺激時の細胞活性率は濃度によって異なる反応を呈した。すなわちPHA-L1.0μg/mlでは,培養48時間後に低下した細胞活性率が72時間培養後に高くなり,濃度2.5μg/ml以上,培養48時間後の細胞活性率は他の3つのマイトージェンに比べて常に高く,さらに濃度12.5および125μg/mlでは,48時間培養後に最も高くなり,500μg/mlでは72時間培養後に最も高くなった。<BR>マイトージェンとして最も利用されているConAはニホンウズラの末梢リンパ球に対しては生存阻害的に働くことが示唆された。PWMは4つのマイトージェンの中で24時間培養後に全濃度において最も細胞活性率が高くなり,その活性化された細胞の作用によって48時間培養後の1〜25μg/mlの低濃度で低下し,強い抑制細胞間相互作用が働いたことが示唆された。以上のことから,ウズラリンパ球に対しConAは細胞死誘導に有効であり,PWMは一部の細胞に対してのみ高濃度の500μg/ml以上で培養時間とその濃度を変えることにより特定なリンパ球サブセットを効率的に活性化しうることが示唆された。ウズラリンパ球に対してPHA-Mは低濃度の1〜2.5μg/ml濃度,48と72時間培養で活性化効果があり,最もマイトージェンとして適しているのは他のマイトージェンと顕著に異なり濃度による活性化抑制・阻害効果を示さないPHA-Lであり,48時間培養で1〜1000μg/mlの広範囲な濃度で活性化効果が得られることが明確となった。
- 2010-09-17
著者
-
原 ひろみ
東京農業大学農学部畜産学科
-
半澤 惠
東京農業大学農学部畜産学科
-
吉田 豊
東京農業大学農学部畜産学科
-
渡邉 誠喜
東京農業大学名誉教授
-
半沢 恵
東京農業大学農学部畜産学科
-
半澤 惠
東京農業大学 大学院 農学研究科
-
半澤 恵
東京農業大学農学部畜産学科
-
渡辺 誠喜
東京農業大学名誉教授
-
渡邉 誠喜
東京農業大学 家畜生理学 研究室
-
原 ひろみ
東京農業大学 農
-
吉田 豊
東京農業大学
-
渡邉 誠喜
東京農業大学
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