分娩前後の黒毛和種とホルスタイン種母子牛における乳並びに血清中レチノイド量とカロテノイド量の変動
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概要
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分娩前後の黒毛和種およびホルスタイン種の母子牛間における乳並びに血清中レチノイド量とカロテノイド量の変動を明らかにするために,2つの試験を実施した.すなわち,試験1で分娩前後の黒毛和種6頭とそれらから生まれた子牛6頭の合計12頭を用いて,分娩直後から7ヵ月間の母子牛の血清中レチノールとβカロテン量を測定した。試験2では,黒毛母牛5頭とこれらから分娩された子牛5頭,並びにホルスタイン母牛5頭とこれらから分娩された子牛5頭の合計20頭を用いて,分娩前から分娩8〜12週間の乳並びに血中のレチノイド量およびカロテノイド量の変動について精査した。その結果は以下のように要約される.(1) 出生直後の子牛血清中レチノール量は,母牛のそれに比較して少なく,1ヵ月後には,0.19μg/mlの低値を示し,母牛の0.31μg/mlに対して約1/2量であった。(2) 子牛の血清中レチノール量は,出生3ヵ月以降急激に増加し,6ヵ月後には母牛のレチノール量と同等の値を示し,それ以降は顕著な変動を認めなかった。(3) 母乳中レチニールパルミテート量は,分娩直後から1週後にかけて顕著な増加を示し,それ以降は急激に減少し,極微量が検出されるか,あるいは測定限界以下であった。(4) 乳中レチノール量は,分娩後急激に減少し,極微量か測定限界以下であった。(5) αカロテンは黒毛母牛とホルスタイン母牛の血清中のみに認められた。(6) βカロテンは,分娩直後の初乳中に多く含まれ,それ以降は急激に減少した。また,サイレージ給与量が多く,βカロテン含有の高い配合飼料を給与したホルスタイン母牛の血清中に高い値のレチノール量とβカロテン量が認められた。母牛の血中βカロテン量が分娩2週後から増加するのに対して,子牛血中のそれは極めて微量で推移する傾向が認められた。
- 東京農業大学の論文
- 2001-09-29
著者
-
半澤 惠
東京農業大学農学部畜産学科
-
吉田 豊
東京農業大学農学部畜産学科
-
古庄 律
東京農大・短期
-
半沢 恵
東京農業大学農学部畜産学科
-
半澤 惠
東京農業大学 大学院 農学研究科
-
半澤 恵
東京農業大学農学部畜産学科
-
古庄 律
東京農業大学短期大学部栄養学科
-
古庄 律
東京農大短大栄養学科
-
古庄 律
東京農大短大部・栄養
-
吉田 豊
東京農業大学
-
古庄 律
東農大・短大栄養
-
古庄 律
東京農業大学短期大学部
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