月探査衛星「かぐや」搭載ガンマ線分光計による高解像度月表層元素分布図(<特集>月科学の最先端と今後の展望:月はどこまでわかったのか?)

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概要

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月探査衛星「かぐや」に搭載されたガンマ線分光計は月面元素組成分布の調査を目的としており,1年半の観測期間の間で複数の条件が異なる観測を行った.衛星高度が100kmの定常運用時に取得されたデータの解析が進み,これまでに天然放射性元素の月面濃度分布地図が作成された.また,低高度軌道運用時の観測データは,軌道高度が定常運用時の約半分であるために空間分解能が向上していること,放射線損傷によるGe検出器のエネルギー分解能劣化をアニーリング運用により性能回復した後の観測データであること,さらに観測積算時間が十分に長いことにより,高解像度・高精度な月面元素組成分布地図を提供するものと期待される.ただし,高確度な濃度マップ作成のためには,観測条件に合わせた各種補正のための更なる検討が必要である.
2010-06-25

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