皮膚トラブルを有する生後3ヵ月未満児の表皮pH・水分量・皮膚温の皮膚洗浄前・後の変化

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本研究は,皮膚トラブルを有する乳児の皮膚洗浄法開発に関する基礎研究であり,皮膚トラブルを有する乳児の表皮pH・水分量・皮膚温の皮膚洗浄前・後の変化について明らかにすることを目的としている。生後3ヵ月未満の皮膚トラブルを有する乳児を対象に,実験的方法を用い,皮膚トラブルのない乳児をコントロール群として比較検討した。結果,対象児の皮膚トラブル症状は紅斑,丘疹を主とし,発症部位は頬部が最も多く,ついで額部,頭部・頸部の順であった。表皮pH・水分量・皮膚温については,群別に有意差はなかった。しかし,皮膚トラブルを有する乳児の皮膚洗浄前の平均表皮pHは,額部6.1,頬部6.3,下肢6.1であり,また,いずれの部位でも表皮pH6.0以上のものが半数以上を占め,表皮の感染防御機能が好適状態に保たれていないことが示唆された。一方,皮膚洗浄前後の変化については,表皮pHが皮膚洗浄により両群共にいずれの部位でも有意に増加(0.4〜0.7)することがわかった(P<0.05)。水分量は皮膚トラブルを有している乳児全員が30.0%以上であり,洗浄前後の変化に有意差はなかった。皮膚温は26.1〜35.3℃と個人差はあるが,皮膚洗浄により額部はほとんど変化せず,下肢は1℃以上上昇する(P<0.05)ことが明らかとなった。これらのことから,皮膚トラブルを有する乳児の皮膚洗浄法として,表皮酸性度を経日的に改善し,好適状態を保つ洗浄技術の開発が必要と考える。

皮膚トラブルを有する生後3ヵ月未満児の表皮pH・水分量・皮膚温の皮膚洗浄前・後の変化

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