神経回路網のシグナル伝達におけるアストロサイトのイオンチャネルの役割
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概要
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アストロサイト(astrocyte) やオリゴデンドロサイト(oligodendrocyte)を含むグリア細胞,古くから神経組織のなかでニューロンへの栄養供給機能があり,ニューロン間を埋める支持細胞と言われ,電気的には非興奮性細胞として定着している.しかしながら,1980 年代からのパッチクランプ法や蛍光抗体を用いた免疫組織化学的手法による研究で細胞膜にはK^+ ,Cl^- ,NSC non-selective cation,カチオン非選択性),Ca^2+ ,及び Na +チャネルが存在していることが示された.さらに,グリア細胞同士はギャップ結合(gap junction)という特殊なイオンチャネルで低抵抗結合していて,分子量1000 までの分子は通過可能である.そして,細胞内微量物質量例えば,Ca2 +濃度)を可視化するイメージング法の開発によりグリア細胞は神経回路網において,シグナル伝達の重要な役割を演じていることが示されている.ここでは,グリア細胞のなかから神経回路網シグナル伝達に特に重要であるアストロサイトのイオンチャネルの性質とそれぞれのイオンチャネルの神経回路網での役割やギャップ結合を介するシグナル伝達について詳しく紹介している.
- 東海大学の論文
- 2006-03-31
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