ステロイドホルモンの非ゲノム的作用
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概要
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この総説ではステロイドホルモンの非ゲノム的作用に焦点を絞って解説する.これまで,典型的なステロイドの作用機構は,細胞質内にあるステロイドレセプタがステロイドと結合し,そのステロイド・レセプタ複合体が核内に移動して遺伝子(ゲノム)内にあるステロイドの特異的エレメントに接合し,遺伝情報の転写を促進して最終的に蛋白質合成を行うとされ,その応答には数時間の潜時が生じる.しかしながら最近,神経組織,筋組織および上皮組織では細胞膜にステロイドレセプタがあり,非ゲノム的に数秒から数分の短い潜時で応答が行われることが報告されている.これらの応答は細胞膜の興奮性やイオン透過性を短い潜時で変化させ,神経伝達物質やホルモンなどに対する感受性を高める作用を示す.このような短期的非ゲノム的作用は,中・長期的作用と合わさって刺激に対する応答を速やかに行う効果をもつと考えられる.
- 東海大学の論文
- 2003-03-30
著者
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