膵島ホルモンによる膵外分泌制御
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概要
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膵臓は外分泌と内分泌の異なる機能をもった二つの器官から成るが,これらは発生段階で同じ原腸から分化したものであり機能に密接な関係がある。この総説では膵外分泌の分泌制御に対する内分泌ホルモン(島ホルモン)の影響について最近の研究成果を解説する。膵島部は,卵形で外分泌組織内に散在し全膵の1-2%の重量しかなく,一つの島あたり約5000個の細胞で構成されている。島部と外分泌部の境界を隔てる明確な線維状の被膜形成はない。多くの動物種で外分泌部への血液循環は島部を通って供給される。島ホルモンの外分泌部への漏出の仕方は血液循環と直接外分泌部への漏出の二通りある。外分泌腺房部の腺房細胞膜には島ホルモンのインシュリンとソマトスタチンのレセプターが存在し,イオンチャネルの種類とイオンチャネルの開口及び能動輸送(ポンプ)はイオン液分泌に重要な役割をしている。消化酵素とイオン液分泌制御に対して島ホルモンは少なからず影響している。イオン液分泌(イオンチャネル)に対するホルモンの作用についての詳細な研究がほとんどなく今後の課題となる。
- 1999-03-30
著者
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鈴木 和夫
東海大学開発工学部医用生体工学科
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鈴木 和夫
医用生体工学科
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鈴木 和夫
Department of Bio-Medical Engineering, School of High-Technology for Human Welfare, Tokai University
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