子供の近くに転居してきた「呼び寄せ老人」に関する研究 : 「呼び寄せ」に対する介護者の認識とその関連要因の分析
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概要
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子供の近くに転入し,現在,公的サービスを受けているいわゆる「呼び寄せ老人」とその介護者98組に面接し,生活実態調査を行うとともに,介護者の呼び寄せに対する認識に影響する要因を分析した.その結果「呼び寄せ老人」は近県移動が主であり,痴呆が中等以上になってからの移動が多く,移動能力もつかまり歩行以下になってからの移動が多かった.呼び寄せに対する介護者の認識,すなわち呼び寄せて良かったか否かという認識に影響する要因を推測するために,数量化II類の分析を行った.その結果,「良かった」とする因子は,呼び寄せ前準備期間が3ヶ月以上あり,人間関係がよく,呼び寄せ前の移動能力に介助が必要で,痴呆症状よりも寝たきりへの介助が必要な人であった.今回の結果から,呼び寄せ老人への直接的支援よりも,介護者への支援が優先されるべきであることが示唆された.
- 日本老年看護学会の論文
- 1998-11-15
著者
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高崎 絹子
東京医科歯科大学
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水野 敏子
東京医科歯科大学
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水野 敏子
東京女子医科大学
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水野 敏子
東京医科歯科大学大学院医学系研究科保健衛生学専攻博士後期課程
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高崎 絹子
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科高齢者看護・ケアシステム開発学
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水野 敏子
東京医科歯科大学大学院
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高崎 絹子
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
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