在宅における老人虐待事例の援助の分析 : 援助過程の質,および援助結果に影響を与える要因の検討
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概要
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本研究の目的は,1)老人虐待事例の援助過程の質が援助結果に及ぼす影響を明らかにすること,2)援助結果に影響するその他の要因を明らかにすること,である.埼玉,福岡,山形3県の地域看護職を対象とした平成7年の実態調査で把握された171の老人虐待事例のうち,当時継続中の事例について郵送質問紙法によるフォローアップ調査を行い,28の有効回答(回収率67.0%)を得た.援助過程の評価として特定の利用者に対する援助活動を5段階評価の45項目で問うQCM-P尺度,援助結果の評価には,目標達成度と虐待状況の変化を採用した.これらの結果の分析から,(1)施設入所で改善群,(2)在宅での質の高い援助で改善群,(3)在宅での質の高い援助で改善せず群,(4)在宅での質の高い援助が行えず改善せず群の4タイプに事例を分類した.タイプごとに援助経過を分析した結果,以下のことが明らかになった.1.老人虐待事例の援助においては,援助過程の質が保たれていれば,結果の改善を導いたり,さらに深刻な事態を回避することができる.2.サービス資源の不足や連携体制の不備といったケア構造に関連する条件を改善することにより,援助過程の質を高め,良い結果に繋げることができるが,経済的な問題が存在したり,主虐待者が孤立している場合,援助の効果は低くなる.
- 日本老年看護学会の論文
- 2000-11-01
著者
-
高崎 絹子
東京医科歯科大学
-
千葉 由美
東京医科歯科大学 高齢者看護・ケアシステム開発学
-
小林 亜由美
群馬大学医学部保健学科
-
佐々木 明子
埼玉県立大学
-
小野 ミツ
佐賀医科大学
-
千葉 由美
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科
-
高崎 絹子
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科
-
高崎 絹子
東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科高齢者看護・ケアシステム開発学
-
高崎 絹子
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
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