ダイナミックタッチへの見掛けの慣性モーメントを利用した触覚情報の呈示方法(マルチメディア処理)

概要

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本論文では,ダイナミックタッチへの触覚情報の呈示方法として,棒の振り方に応じて変化するトルクを外部より与えることで棒の慣性モーメントを見掛け上変化させる方法を提案する.ダイナミックタッチが空間内において物体を自由に操作して得られる知覚であることから,外部トルクは非装着かつ非接地で呈示できなければならない.本研究では,外部トルクを生成する力覚生成装置として,非装着かつ非接地でありながら外力を生成できるジャイロスコープを用いている.ジャイロスコープからなる力覚生成装置と装置の振り方を検出するセンサを用いて,見掛けの慣性モーメントを錯触させる装置を構成した.錯触装置の評価実験として,利用者が錯触装置によって呈示される見掛けの慣性モーメントの違いを弁別できるかどうかを確認するための知覚実験を行い,その結果,利用者は見掛けの慣性モーメントの違いを90.5%の正答率で判別することができた.評価実験の結果より,試作した錯触装置は利用者に対して見掛けの慣性モーメントの値を増減させることが確認でき,提案した方法がダイナミックタッチへの情報呈示方法として有効であることを示している.
2006-06-01