生後4ヵ月時点における完全母乳哺育実施要因について : 妊娠・出産をとおしての母子の長期的経過についての縦断的な検討より
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概要
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【目的】生後4ヵ月時の完全母乳哺育(Exclusive breastfeeding,以下EBF)実施の要因を周囲とのかかわりや出産直後からの授乳環境を中心に検討した。【方法】5施設(助産所4,産院1)で出産し,出産時にパートナーがおり児が単胎で,4ヵ月時の母乳哺育状況,離乳食状況について回答が得られた908名の対象者を4ヵ月時にEBFを実施していたEBF群とそれ以外(対照群)に分類しEBF実施要因を検証した。データは診療録からの転記,聞き取り調査および自記式質問票への回答を使用した。【結果】4ヵ月時のEBF実施割合は27.6%であった。「困った時に相談できる人」では,パートナー,実母とした者がそれぞれ80%を超え,助産師とした者も半数近くだった。4ヵ月時のEBF実施を従属変数とし多変量ロジスティック解析を実施した。オッズ比は「夜間授乳」が2.62(95%CI:1.85〜3.73,P<0.01),「現在の飲酒」が1.37(95%CI:1.02〜1.86,P=0.04),「育児サポート得点平均以上」が0.80(95%CI:0.59〜1.09,P=0.16),「困った時に助産師に相談できる」が0.83(95%CI:0.61〜1.12,P=0.22)であった。【結論】周囲の理解やサポートがEBF実施に貢献すると期待できた。母親のみならず,母親が困った時に相談できると考えるパートナーや実母と助産師とのかかわりの機会を増やし,その継続的なかかわりが途絶えない環境の構築が必要である。
著者
-
佐々木 由理
東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻国際保健計画学教室
-
竹原 健二
国立成育医療センター研究所成育政策科学研究部
-
松本 亜紀
社団法人倫理研究所
-
吉朝 加奈
津田塾大学大学院国際関係学研究科
-
嶋根 卓也
国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部
-
野口 真貴子
東京女子医科大学看護学部
-
三砂 ちづる
津田塾大学学芸学部
-
三砂 ちづる
津田塾大学国際関係学科
-
嶋根 卓也
順天堂大学 医学部 衛生学
-
野口 真貴子
東京女子医科大学 看護学部
-
嶋根 卓也
国立精神･神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部
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