ニホンアマガエルの同期した発声行動に関する実験的研究およびその数理モデル解析
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概要
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ニホンアマガエルは日本全域に生息しており、春から夏にかけて水田などで鳴く様子を広く観察できる。オスのアマガエルは単独では周期的に鳴く一方で、目の後方に鼓膜を備えており周囲の音声を認識できる。そのため、多数のアマガエルが鳴き交わす状況は単独では周期的に振る舞う自励振動子が互いに影響を及ぼしあう系、すなわち結合振動子系として数理的には理解できるだろう。著者らは、アマガエルの自発的な発声行動を調べる実験を行ない、2匹では交互にほぼ逆位相πで同期して鳴く現象を新たに発見した。一方で、数理モデルを用いた解析を行ない、上記実験結果を安定な逆相同期状態として定性的に説明できることを示した。本稿では、アマガエル3体系の発声行動に関する数理モデリングとその分岐解析およびリアプノブ関数解析を中心に紹介する。アマガエルの場合、2匹ではほぼ逆位相で同期して鳴くため、3体系ではフラストレーションが起こり、その振る舞いは自明ではない。
- 2009-03-04
著者
-
奥乃 博
京都大学大学院情報学研究科
-
高橋 徹
京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻
-
武田 龍
京都大学大学院情報学研究科
-
水本 武志
京都大学大学院情報学研究科
-
合原 一幸
東京大学生産技術研究所
-
合原 一究
京都大学理学研究科
-
水本 武志
京都大学情報学研究科
-
合原 一究
京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻
-
高橋 徹
京都大学大学院情報学研究科
-
合原 一幸
東京大学・生産技術研究所
-
合原 一究
京都大学大学院・理学研究科・物理学宇宙物理学専攻・物理学第一教室・非線形動力学研究室
-
合原 一究
京都大学大学院・情報学研究科・複雑系科学専攻・藤坂研究室m1
-
武田 龍
京都大学大学院 情報学研究科 知能情報学専攻
-
奥乃 博
NTT(株)基礎研究所
-
合原 一究
京都大学大学院・理学研究科
-
奥乃 博
京都大学大学院
-
高橋 徹
京都大学大学院工学研究科 化学工学専攻
-
武田 龍
日立製作所中央研究所
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