共通教育科目「数学的活動」の実践 - 「モビールを作ろう」の事例を通して-
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概要
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本稿では,共通教育科目「数学的活動」の内容から主に「モビールを作ろう」をテーマとした講義の概要を紹介し,受講した学生の感想文や講義の前後に実施したSD(Semantic Differential ,意味測定法)による調査を通して,いくつかの考察を行った。まず,講義の第1時では,おもりの離散的な分布からモーメントの概念を導入し,それをもとに重心の定式化を行い,単位正方形で構成されたモビールの重心を扱った。続いて第2時では,単位正方形を対角線で2分割した直角二等辺三角形を含んだやや複雑な直線図形のモビールの重心を扱った。最後の第3時では,おもりの離散的な場合を連続的な分布に拡張し定積分によって定式化し,それを用いて曲線図形のモビールや放物線ゴマを作成した。講義前後のSDによる資料や講義に対する感想文などの分析から,学生たちに数学の楽しさや面白さ有用性などを実感させて,好意的に受け止められ歓迎されたことが確認でき,本講義のねらいである数学的活動の意義を伝えることが概ね達成できた。
- 2009-01-31
著者
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