国有林における水源かん養保安林整備の実態と問題点 : 長野県内の請負事業体を事例として
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概要
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本研究は,国有林野事業が全面的に請負化される中で,請負事業体による整備,特に水源かん養保安林の整備実態及び国有林からの監督等(指示・指導を含む)に関する実態を明らかにすることを課題とした。請負事業体,森林管理署,森林事務所の森林官に対する事例調査の結果,明らかになったことは次の点である。第1に,請負事業体の整備実態では,(1)事業量確保,実績確保が第一義となっており,「公益林整備」ということへの関心はない。(2)請負作業は森林官の指示に従っておれば間違いないというように受動的な意識が強い。(3)効率が優先され,作業が適切になされない場合がある。第2に,事業発注の森林管理署側にあっては,(1)署は調査,計画,予算等行政的業務を主としており,現場での請負施業における監督等は所属森林事務所の森林官に全面的に任せている。(2)しかし,森林官の業務は多岐にわたる上,請負事業の監督等面積も広く,適切な監督等を行う上では,もはや限界にきている。今後国有林側としては,監督等体制の整備・拡充が望まれる。また,請負契約が全面的に一般競争入札になる中で,請負事業体の育成も重要な課題となってこよう。
- 2009-03-01
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