小規模森林所有者における農林複合経営の今日的実態 : 長野県下伊那郡売木村を事例として
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概要
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現在,日本の森林管理の一翼を担う大多数の小規模森林所有者の今日的実態を明らかにすることが求められている。そこで平均的農山村である長野県売木村で,林家へのアンケート調査と聞き取り調査をおこなった。調査の結果から,売木村の森林管理は世帯の自家余剰労働力でおこなわれていること,特に多くの林家は世帯員数が少なく,家計維持の必要労働量が森林管理に費やされる労働量を直接的に規定していることが明らかになり,このような実態から林家を6つの類型に区分した。また農林複合経営の今日的実態として,農業経営を基軸にする従来の姿はなく,年金を生活の基本にし,農業は家計補助の役割を果たし,さらに農業経営の維持が森林管理の維持,促進につながることが明らかになった。今後の森林管理を継続する条件は,主要な森林管理の担い手である年金生活者の世帯の家計を維持することであり,将来的には次世代が少なくとも定年後に森林所有者として家の後継者たりうるかにかかっている。
- 林業経済学会の論文
- 2005-07-01
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