介護老人保健施設の医療的管理における看護職と介護職の役割分担と機能の実態(人間科学編)

概要

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老健において,医療的管理を必要とする入所者の健康問題を,看護職,介護職各々がどのように理解・把握しているのか,また,各職種から提供されたケア内容について検討した。その結果,以下の事柄が明らかになった。1.介護職は,利用者の食事,排泄,睡眠など,24時間の連続した生活行動の状況変化について詳細に把握していた。2.介護職は,個人の生活体験から得た自己の気掛かりを大切にし,自分なりの気掛かりから利用者の変化について観察を続けていた。3.看護職は,利用者の生活行動の変化を,疾病の症状や治療との関連において捉えていた。4.「生活を整える」という目的は同じであっても医療的側面の視点の有無により,看護職と介護職では情報の解釈が異なり,論点の違いに発展していた。5.医療的処置の実施については明確な役割分担がされていたが,介護職から看護職への技術委譲が円滑に行えない場面もあった。6.介護職が医療的処置に迷ったとき,利用者の日常生活行動が中断されることもある。以上の点から,看護職と介護職が協働をしていく上で,医療情報の提供のあり方について検討すべきであることが確認された。