言語情報のみを用いた音節クラスタリングの音節波形接続型音声合成法への適用

概要

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音声合成法の手法の一つとして,音節波形接続型音声合成法が提案されている.この手法の問題点の一つとして,任意の一般名詞を作成する際に大量の録音単語が必要となる.そこで従来の研究では,理論上全ての音声を作成するために,音声が収録されているDBに対して音響情報と言語情報の両方を用いてクラスタリングを行った.しかし,音声品質が非常に悪い音声もあった.この原因として,本論文では音響的特徴の類似性を用いて合成音声を作成することが,音声品質に悪い影響を与えると仮定した.そこで,言語情報のみを用いてクラスタリングを行い,音声品質の改善を行った.音声品質の評価には,オピニオン評価実験および対比較実験を用いた.オピニオン評価実験の結果,"言語クラスタ"の音声が3.22,"音響クラスタ"の音声は2.48という値が得られた.また,対比較実験の結果,"言語クラスタ"の音声が77.8%,"音響クラスタ"の音声が22.2%となった.以上より,言語情報のみを用いたクラスタリング手法は,言語情報と音響情報の両方を用いたクラスタリング手法と比べ,良い音声品質の合成音声を作成できることが分かった.
2009-01-22