アレイ電極を用いた信号誘導範囲の検討
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概要
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表面電極を用いて、筋電図の誘導範囲を自由に選択できるようになれば、表面筋電図の応用範囲がさらに広がることが期待できる。このような展開の基礎として、表面電極の信号誘導範囲と双極誘導電極の電極間隔の関係を明確化する必要がある。一般に、表面筋電図計測において、電極間隔が広くなるほど、深い位置にある筋の信号も誘導するとされている。しかし、誘導される筋電図と電極間隔の関係を実際にデータで示した例は少ない。そこで、本研究では、被験筋を尺側手根屈筋と深指屈筋とし、電極間隔の変化による信号誘導範囲の関係を検討することを目的とする。筋電図誘導電極には、直径1[mm]、長さ10[mm]の銀線を5[mm]間隔に15本並べたアレイ電極を用い、筋電図を単極誘導でPCに取り込み、任意の電極間隔(5〜70[mm])における双極誘導信号をPCで求めた。すなわち任意の電極間隔で同時に計測した信号を得ることができる。これらの信号を用いて信号の振幅と電極間隔の関係を検討した。その結果、電極間隔が広くなると信号振幅は大きくなることが明らかとなった。さらに電極間隔を広げても信号振幅が増大しない領域があることも明らかになった。すなわち、誘導範囲が大きくなったが、その領域には筋が存在しないことを示していると考えられる。
- 2008-10-23
著者
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吉田 正樹
大阪電気通信大学
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吉田 正樹
神戸大学工学部
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山口 晶子
愛媛大学大学院医学系研究科泌尿器制御学分野
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吉田 正樹
大阪電気通信大学医療福祉工学部理学療法学科
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吉田 正樹
大阪電気通信大学工学部第一部知能機械工学科
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山口 晶子
大阪電気通信大学大学院医療福祉工学研究科
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吉田 正樹
神戸大学自然科学研究科
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吉田 正樹
大阪電気通信大学工学部
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吉田 正樹
大坂電気通信大学
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山口 晶子
大阪電気通信大学
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山口 晶子
中通総合病院消化器外科
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