為替レートの変動と外国為替市場
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概要
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本稿で,近年注目の集まった円ドル為替レートの"短期"変動メカニズムを理論的・実証的視点から再検討した。その結果,個別経済主体に関するミクロ経済学的基礎を持った外国為替市場における為替レート変動の短期メカニズムが明らかとなった。また金融市場の特性である均衡解の存在と安定とが同時に示された。さらに外国為替市場の効率性を検証すべく,円ドル為替レートにGARCH(拡張的自己回帰条件付分散不均一)モデルを適用した。それら統計的検定手続きによると,観察頻度の高い日次,週,月次レベルでは,ランダム・ウォーク仮説は支持され,外為市場は効率的であると結論付けられた。また,同じく円ドル為替レートに対し,カバーなし金利裁定(UIP)を前提とした構造VAR(ベクトル自己回帰モデル)を求め,そこから,上述理論モデルと整合的な日米金利差ならびに予想為替レート・スプレッド率と直物為替レートとのインパルス応答結果を得た。
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