最適通貨圏
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概要
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東アジアでは最近自由貿易協定 (FTA) 締結進展に呼応して通貨金融統合の議論が活発化している。そうした議論の背後にある通貨同盟・最適通貨圏問題に関してモデル分析を中心に論点を整理・検討した結果, 次のような結論を得た。(1) 通貨金融統合を図った通貨同盟制は, 経済厚生を最大にするという意味で「最適な」通貨圏を形成する。(2) 通貨同盟制では金融政策の独自性・自律性を放棄せざるを得ないが, その場合でも経済活動への非対称的ショックに対しては調整メカニズムが保持される。(3) 最適通貨圏制は, 経済厚生的評価基準に照らすと変動為替相場制に劣後する。したがって, 通貨金融統合の成否は, 例えば最終的に経済・通貨同盟 (EMU) を実現させた欧州の事例を見ても分るごとく, 経済的合理性の判断に加え歴史的共通認識や経験知ないしは政治的決意・決断が何にも増して重要となってくる。
- 愛知学院大学の論文
- 2005-03-31
著者
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