国際金融の新たな枠組み : 展望
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年に至り,グローバル化(globalization)の進展とともに,その流れに括抗するかのごとくリージョナリズム(regionalism)の動きが活発化した。そうした潮流から,我々はリージョナリズムの先に,更に他者に解放的で且つ相互依存的であるトランスナショナル(transnational)な動きの胎動を感じ取る。かかる状況を踏まえ,新たな国際通貨金融の枠組みとして,一方で自由貿易サービス取引の枠組み(自由貿易協定(FTA),経済連携協定(EPA),世界貿易機構(WTO))の進展を踏まえ,米ドル中心(基軸通貨)の構造を脱した分権的枠組みの形成が展望される。例えばアジアでは,事実上(de fact)の米ドルペッグ制から通貨バスケット制やアジア通貨制度(AMS; Asian Monetary System)ないしはアジア通貨同盟(AMU; Asian Monetary Union)の構築とあいまって,国際通貨基金(IMF)と連携した地域的流動性供給(チェンマイ・イニシアティブの発展)や,1990年代後半における東アジア通貨危機の要因ともなった通貨と期間のダブル・ミスマッチを回避し,銀行主体の金融システムを補完するような証券市場の育成(ABF/ABMIの発展)などが構想できる。
- 2006-03-30
著者
関連論文
- 中国人民元について
- 東アジア経済統合と外国為替相場制度
- 国際金融の新たな枠組み : 展望
- 東アジアの通貨金融統合 : 理論的考察
- 開放経済下の金融政策と為替レート変動
- 為替レート変動と通貨建て選択--理論と実証
- 新IS-LM体系--理論的・実証的分析
- 開放経済下の"新"IS-LM体系と日米経済
- 価格転嫁調整と米国国際収支
- 外国為替相場制度 (3) : 経済厚生
- 為替レートの変動と外国為替市場
- 中国人民元論考
- 二国間開放マクロ経済モデルの統計的検証--マルコフ連鎖モンテカルロ法を中心として
- 根津永二先生のこと (根津永二教授退職記念号)
- 購買力平価--理論と実証
- 開放経済下のビジネス・サイクル : 構造VARによる実証分析
- 為替レートの変動と価格転嫁調整 : 理論と実証
- 東アジア通貨金融統合と経済厚生
- 最適通貨圏
- 外国為替相場制度(2) : 評価
- 東アジアにおける国際金融の新たな枠組みについて(経済・金融領域)
- 変動相場制と価格設定
- 金融政策の国際間伝達効果分析
- 地域産業再生のための情報化と金融
- 情報技術(IT)と日本の銀行業
- 外国為替相場制度 : 再考
- 情報技術(IT)と金融戦略の新展開