日本語基礎能力テストの特性(2) : 項目反応理論に基づく測定性能の分析
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概要
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本研究の目的は、伊藤他(2003)で内容的妥当性を確認した日本語基礎能力テスト(平他、1998)の語彙理解力項目について、項目反応理論に基づき、その測定性能を分析することである。伊藤他(2003)の分析の結果、要注意の「レベルC」と判定された項目が若干存在したものの、項目作成から10年余りを経た現在でも、全体として十分機能することが示された。本研究では、「レベルC」の項目を除く444項目を分析の対象とする。テスト情報曲線から、項目プールは全体としては能力尺度値θの尺度値で「84」に最大の識別性能を示すことが分かった。これは、小学校2年生〜3年生のレベルである。しかしながら、元々作成された11の版では、それぞれ測定対象とする集団の平均付近に最大の測定性能を有することが確認された。したがって、本研究の結果からは、統計的観点においても尺度が十分機能することが確認された。
- 東北大学の論文
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