日本語基礎能力テストの特性(1) : 国語教育から見た語彙理解力測定項目の内容評価
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概要
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本研究の目的は、日本語基礎能力テスト(平他、1998)の語彙理解力項目について国語教育の観点からの妥当性を吟味することである。日本語基礎能力テストは、「語彙理解力」、「漢字読み取り能力」の2つの下位尺度から成っている。そのうち、語彙理解力テストの項目プールには小学校1年生用から高校生用まで470項目がある。まず、項目内容を分類する基準として、「レベルA〜C」を設定した。「レベルA」は「通時的に意味や用法が安定しているもの」であり、「レベルB」は「レベルAに準じ、かつ、各種の試験等で頻繁に出題されるもの」である。「レベルC」は「使用機会が少なくなってきた、ないしは、選択肢にやや難があるもの」である。さらに、各レベルに2〜4の下位カテゴリーを設けた。結果的に全体の約71%が「レベルA」に分類され、「レベルC」は5.6%に止まった。現在でも、全体として、充分に語彙理解力の測定に通用する尺度であることが確認された。
- 東北大学の論文
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