土壌の乾湿がラジノクローバーの生育・収量並びに時期的消長に及ぼす影響
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概要
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1)ラジノクローバー種子をポットに春まきし,過湿,多湿,畑状態の3区を設けて土壌の乾湿が生育・収量並びにその時期的消長に及ぼす影響を調査した。調査は播種当年実施した。2)畑状態区の草丈伸長状況はいわゆる夏枯れ現象がみられ降水量並びに気温と密接な関係があった。過湿,多湿両区の草丈は刈取後10日間の平均気温28℃程度でも伸長速度の低下は認められなかった。8月以降は3区共刈取後10日間に草丈は大部分伸びてしまいその後の伸長は少なかった。3)生草重は多湿区が最も多く,過湿,畑状態の両区はかなり減収したが両者間に大差はなかった。併し,時期的消長は3区共夫々異なり,これを一日当り生草重でみると過湿区は初夏(7月11日と8月1日刈取の間)に最高を示し,春,秋は少なく,多湿区は春(6月10日と7月11日刈取の間)に最高となり以後-様に減少した。畑状態区は春(6月10日と7月11日刈取の間)に最高を示し,以後夏枯れで低下するが,秋(9月1日と10月3日刈取の間)に再び恢復して,第2の山を画いた。4)刈取時の草丈と生草重の間には+0.871^<***>の高い相関が認められた。5)乾物率では過湿,多湿の両区では時期的消長は比較的少なかったが,畑状態区は降水量の多少によって激しく変動し,8,9月の刈取においては他の2区の約2倍の値を示した。6)0〜20cmの土壌深度における根の乾物重は,畑状態区>多湿区>過湿区で土壌水分が少ない程多かった。また,0〜10cmの深度内に含まれる根の乾物重の割合は,70〜80%であった。
- 日本草地学会の論文
- 1962-12-31
著者
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