脳性まひ児の運動・動作の変化とその要因 : 4歳時と10歳時における比較から
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概要
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本研究は、4歳から10歳に至るCP児の動作変容を、動作訓練法のモデルパターン動作の獲得度によって分類された類型の変化と移動運動の変化とを軸に記述するとともに、これらの変化が生じる要因を検討した。CP児75名の6年間のフォローアップ前後におけるモデルパターン動作の獲得度を指標にしたクラスター分析の結果、佐藤(1999)の類型に対応した8つのクラスターが得られた。対象児の多くは6年間で動作に変容がみられたが、その分析から(1)歩行の獲得には膝立ち位での抗重力動作と四つ這いの獲得が関連するが、必ずしもこれらが必要または十分条件にならないこと、(2)安定座位の獲得には、4歳で座位での抗重力動作がある程度学習されている必要があること、(3)モデルパターン動作の獲得度だけでは、移動運動の獲得を十分に予測できないこと、(4)低緊張に特有な臨床像を示す最重度相当の対象児では、今回用いた測度で変化を検出できなかったこと、が示された。
- 2002-01-31
著者
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