中途失明の自己概念に及ぼす効果
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概要
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職業的リハビリテーション訓練を受けている中途失明者の適応状態を考察し、中途失明が自己概念に及ぼす効果を機能的に把握することが本研究の主要な目的である。30人の中途失明者と22人の正眼者が現実、理想、近親の3つの自己規準で、60項目をQ分類した。この結果、自己諸概念問の相関はほとんどすべてが統計的に有意であり、また、両群間の比較については有意差は見いだされなかった。この事から中失者群は心理的に適応した状態にあると解釈された。他方、3つの自己概念それぞれに因子分析を適用した結果、理想自己については紋切型の因子が、近親自己については両群を区別すると解釈される因子が求められた。しかし、現実自己については、そのような因子は見いだされなかった。以上の結果から、適応の決定因として重要なのは、失明という事実ではなく、中途失明者に対する周囲の人々の反応であることが理解された。したがって、今後正眼者の、盲および盲人に対する態度を研究することが必要であろう。
- 1976-12-15
著者
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