刈取頻度を異にするオーチャードグラス草地における茎数の季節変化と時期別にみた出現分げつの消長
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概要
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オーチャードグラスの同一栄養系を10cm間隔に移植して作った草地に,草丈(A)約30cm,(B)約40cm,(C)約50cmに達するたびにそれぞれ地際より5cmの高さで刈取を行なう区を設け,1970年より1972年まで個体ごとに茎数の変化を調べ,次のような結果を得た。1)利用一年目と,それ以後とでは時期別にみた分げつ発生の様相に差違があり,1年目には春先,出穂以後,初夏まで,秋の三時期に著しい分げつ発生がみられるのに対し,2年目以後では春から初夏にかけてはむしろ分げつが減少するが,秋から冬にかけては一年目と同様に著しい分げつ増が認められた。2)生殖生長期以後から8月末までの分げつ出現は50cm刈区で最も盛んで,30cm刈区で最も少なかったが,これらの生育旺盛な時期における分げつは出現初期に枯死するものが多く,かなりの部分が夏を過ぎるまでに消失した。3)本実験では遺伝的形質を同じくする個体により草地が構成されているにかかわらず,株間のバラツキが生じ,特に50cm刈区でみた場合,3年間の刈取処理により各株間の基底部の占有面積の差は非常に大きくなっている。その一因に生育期における活発な分げつ発生と枯死の繰り返しが関係していると推察された。
- 日本草地学会の論文
- 1975-04-25
著者
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